<高度な技術>

指物師としての技術を身につけたら、直観により美意識を磨く、という感覚の段階に入ります。美術館や博物館などで常に名品と対峙するなどの機会を増やしてセンスを磨きます。この修練があってこそ、お客様の注文を具体化し、最適な形と最適な材料を組み合わせ、ふさわしい仕口で差し合わせて、美しく丈夫な江戸指物を完成させることができるからです。
制作の段階においても、常にインスピレーションを発揮し、細部を修正しながら美しいバランスの江戸指物を目指します。その経験の積み重ねこそが、江戸指物の真のレベルアップにつながっていくのです。 (矢尾板)